包帯クラブの概要
制作:2007年 日本
監督:堤幸彦
出演:柳楽優弥、石原さとみ、田中圭、貫地谷しほり、関めぐみ、佐藤千亜妃、他
包帯クラブの見どころ
天童荒太の同名小説「包帯クラブ」は珍しく明るい話である。
堤幸彦監督が映画化し、当時人気だった柳楽優弥と石原さとみ主演で若者たちにも話題になった。
天童荒太にしては、前向きな話である。
包帯クラブのあらすじとネタバレと結末
あらすじ
両親の離婚で深く傷つき、自分の人生に見切りをつけた女子高生ワラ(石原さとみ)は屋上のフェンスに腰かけていると、ディノ(柳楽優弥)に話しかけられます。
不自然に思える関西弁で気軽に話しかけてくるディノにワラは無神経に話し続ける。ワラがしていた包帯をフェンスに結び付け、ディノは血が止まった気がするといいますが、ワラは無視して帰ります。
ディノは傷そのものに、包帯を巻くのではなく傷ついた場所に包帯を巻くというアイデアをワラに話しますが、風になびく包帯を見て心もなびきつつありましたが、ディノと話する気分ではなかったのです。
学校へ行くとタンシオがワラに恋愛相談をします。そしてワラもディノのマネをして、タンシオが傷ついたところに包帯をします。タンシオはその行為に感激し、感謝します。
そしてそのタンシオの画像を見て、同じように感激した人が包帯クラブというサイトを作り、同じように傷ついた人に、傷を受けた場所に包帯を巻きに行く活動をします。ディノもワラも包帯クラブに入ります。
ワラたちの行動は、すぐに広がり、傷ついた人を癒します。嫌々入った包帯クラブでしたが、次第にワラはやりがいを感じていきます。
イジメやトラウマのある人が自分が巻いた包帯で癒されていくことに、徐々に自分も癒されて行っていたのです。
しかし一方で、公共の場所に包帯を巻くのは迷惑だという書き込みが続きます。そしてその誹謗中傷もすぐに広がり、包帯クラブはいったん活動を休止します。
しかしその悪意のある書き込みや、警察に通報していたのはワラの中学時代の同級生テンポだったのです。
ネタバレと結末
テンポは、自分で壁を乗り越えていったワラや、包帯を巻いて幸せそうにしているワラのことをねたんでしました。
いつまでも満たされない気持ちが続くテンポは自殺まで考えていました。
そしてワラたちは、テンポの気持ちに気が付き、自殺をやめさせようといろんなところに包帯を巻いていきます。
ディノたちのがんばりもあり、ワラはテンポの自殺を止めることができました。みんなで仲良くなり、ディノもまた過去の自分の傷を打ち明けます。悩みのない少年少女なんていないのです。
ディノは未だに傷つけた人たちの事を後悔していました。ディノの告白を聞いた皆は、自分の問題に立ち向かう勇気が持てたのです。